パートナーと「これからの話」をする
この講座が終わる頃、あなたにはこんな変化が起きています:
| 時間 | やること | 形式 |
|---|---|---|
| 0:00-0:15 | チェックイン・宿題シェア | 全体 |
| 0:15-0:40 | パートナーの夢を3つ書く+気づきの共有 | 個人→全体 |
| 0:40-0:55 | 「心の地図」の概念と自己診断 | 全体 |
| 0:55-1:05 | 休憩 | ― |
| 1:05-1:35 | 問いかけの2つのレベル+ミニワーク | 講義+ワーク |
| 1:35-2:05 | 心の地図インタビュー(ペアワーク) | ペア |
| 2:05-2:15 | 気づきの共有 | グループ |
| 2:15-2:25 | 休憩 | ― |
| 2:25-2:55 | ドリームサポーター/「理想の日曜日の朝」ワーク | 講義 |
| 2:55-3:40 | 「3年後の理想の日曜日の朝」ワーク | 個人→ペア |
| 3:40-3:45 | 全体振り返り | 全体 |
| 3:45-3:50 | 休憩 | ― |
| 3:50-4:05 | 振り返りシート+ペア共有 | 個人→ペア |
| 4:05-4:15 | まとめ・宿題・次回ディベート準備説明 | 全体 |
「お名前と、この2週間でパートナーとの間で一番うれしかったことを一言でお願いします。」
宿題をやれなかった方も大丈夫です。「やれなかった」という気づき自体が大切です。「何が忙しかった?」ではなく、「やってみようとしたとき、どんな気持ちでした?」と聞いてみてください。
| 回 | テーマ | キーワード |
|---|---|---|
| 第1回 | 傾聴と共感 | 小さな呼びかけ・3秒ルール・おうむ返し |
| 第2回 | 自己表現 | ケンカにならない話の始め方・「私は」で始める伝え方 |
| 第3回 | 境界線 | いったん休憩・仲直りのサイン・69%の問題 |
| 第4回 | 問い | 心の地図・ドリームサポーター・未来を描く ★今日 |
1Day講座でも、同じ質問をしました。覚えていますか?
「パートナーの夢・やりたいこと・大切にしていることを3つ書いてください。」
あのとき、書けましたか? それとも、手が止まりましたか?
今日はもう一度、この問いに向き合います。あれから何回も講座を受けて、パートナーとの関わり方を少しずつ変えてきたあなた。今なら、何か変わっているかもしれません。
1Day講座のときと同じです。書けなかったのは、あなたが冷たい人だからじゃありません。毎日忙しくて、パートナーの「小さな呼びかけ」を見逃してきただけかもしれません。
「書けなかった」という事実こそが、今日一番大切な気づきです。
(1Day講座のときより書けるようになっていますか? 変わっていなくてもOKです)
1.
2.
3.
書けなかった方に挙手をお願いします。多くの方が書けないはずです。「書けないのは普通です。最後にパートナーの夢の話をしたのはいつですか?」と聞いてみてください。「思い出せない」という答えが多いでしょう。その"思い出せなさ"が、今日のテーマの出発点です。
パートナーの頭の中には、一つの「世界」があります。
好きなもの。嫌いなもの。夢。不安。大切にしていること。怖いこと。子どもの頃の思い出。将来の希望。最近うれしかったこと。ずっとモヤモヤしていること。
このパートナーの頭の中にある世界のことを、ゴットマン博士は「心の地図」と呼びました。
パートナーの「内面の世界」——好き嫌い・夢・不安・価値観・最近の関心事——についての、あなたの知識のことです。「パートナーのことをどれだけ知っているか」の地図、と思ってください。
ゴットマン博士の研究によると、幸せなカップルは、パートナーの心の地図を常にアップデートしているそうです。
「最近何が楽しい?」「将来やりたいことってある?」「今の仕事で気になっていることは?」——こうした小さな問いかけが、心の地図を最新の状態に保っています。
あなたがパートナーと出会ったとき——付き合い始めた頃——たくさんの問いかけをしていませんでしたか?
「好きな食べ物は?」「休みの日は何してるの?」「将来の夢は?」
あの頃は、相手のことを知りたくてたまらなかった。だから自然と問いかけていたんです。
でも、一緒に暮らし始めると、いつの間にか「この人のことはもうわかっている」と思い込んでしまいます。
5年前に「旅行が好き」と言っていたパートナーが、今は「家でのんびりしたい」と思っているかもしれない。3年前に「いつかカフェをやりたい」と言っていた夢が、今は別の形になっているかもしれない。
古い地図のまま旅をしていないか?——今日はここを一緒に確認していきましょう。
心の地図をアップデートするための質問を20個集めました。全部聞く必要はありません。「これ聞いてみたいな」と思うものにチェックをつけてみてください。
前のページの質問リストから、または自分で考えた質問から、パートナーに聞いてみたい問いを5つ選んでください。
1.
2.
3.
4.
5.
「答えを知りたい」と純粋に思えるものを選んでください。「確認したい」「問い詰めたい」は問いかけではなく尋問です。好奇心から出発する問いが、心の地図をアップデートします。
パートナーに問いかける前に、まずここで練習しましょう。ペアの相手に「パートナーの代わり」になってもらいます。
Day 1〜3で学んだスキルを総動員する時間です。傾聴(3秒ルール・おうむ返し)、「私は」で始める伝え方、相手の問題を背負いすぎない——全部使ってみてください。
自分が選んだ5つの問いの中から2〜3つを使って、ペアの相手にインタビューします。
交代して、今度はあなたが答える番です。相手の質問に、自分の本音で答えてみてください。
「聞く」は情報を得るための行為です。「問いかける」は、相手の内面に光を当てる行為です。
「夕飯なに食べたい?」は「聞く」。「最近、何をしているときが一番幸せ?」は「問いかける」。
問いかけられた人は、自分でも気づいていなかった本音に出会うことがあります。それが、心の地図がアップデートされる瞬間です。
パートナーシップにおける「問い」には、2つのレベルがあります。
パートナーの「今の気持ち」や「本当の願い」を引き出す問いです。心の地図をアップデートするための問い。
例:「最近、何が楽しい?」「今の仕事で一番大変なことは?」「将来やってみたいことってある?」
パートナーシップの「これから」を一緒に考える問いです。問題を解決するのではなく、2人で何を創りたいかを描く問い。
例:「3年後、私たちはどんな日曜日を過ごしていたい?」「老後、2人でどんな時間を過ごしたい?」
Day 1〜3では、主に「今ある問題」に向き合ってきました。傾聴で聴き、「私は」で伝え、境界線で距離を守る。
今日のDay 4では、そこからもう一歩先に進みます。「問題を管理する」だけでなく、「2人で何を創りたいか」を一緒に描くのが今日のテーマです。
パートナーに問いかけるとき、一つだけ気をつけてほしいことがあります。
「なぜ?」で始まる問いは、相手を追い詰めやすい。
追い詰める問い
「なぜ帰りが遅いの?」
「なぜ言ってくれないの?」
「なぜそう思うの?」
引き出す問い
「帰りが遅くなるとき、何があったの?」
「言いたかったけど言えなかったこと、ある?」
「どんなところからそう感じたの?」
「なぜ?」は無意識に「責めている」トーンになりがちです。これは第2回で学んだ「ケンカにならない話の始め方」とも通じますね。
「なぜ?」→「何が?」「どんな?」「どういうとき?」
この言い換えだけで、問いかけのトーンが「尋問」から「好奇心」に変わります。
第1回で学んだ傾聴のスキル——3秒待つ、おうむ返し、「それって、どんな気持ち?」——と組み合わせると、さらに深い対話が生まれます。
パートナーが夢を語ったとき、あなたはどう反応していますか?
ドリームサポーターとは、パートナーの夢を応援し、一緒に可能性を広げてくれる人のことです。反対に、ドリームキラーとは、パートナーの夢を(悪気なく)つぶしてしまう人のこと。多くの場合「心配」や「現実を見せてあげたい」という気持ちから、無意識にドリームキラーになっています。
| ドリームキラーの言葉 | ドリームサポーターの言葉 |
|---|---|
| 「そんなの無理でしょ」 | 「面白そう! どんなイメージ?」 |
| 「いい歳して何言ってるの」 | 「年齢なんて関係ないよ」 |
| 「お金はどうするの?」(否定的なトーンで) | 「一緒に計画を立ててみようか」 |
| 「現実を見なよ」 | 「まず小さく始められることってある?」 |
大事なことをお伝えします。ドリームキラー的な反応をしているからといって、あなたが悪い人なわけではありません。
多くの場合、ドリームキラーの言葉の裏には「心配」「不安」「守りたい」という気持ちがあります。
「そんなの無理でしょ」の裏には→「失敗して傷ついてほしくない」
「お金はどうするの?」の裏には→「家族の生活が心配」
「現実を見なよ」の裏には→「がっかりしてほしくない」
つまり、ドリームキラーの正体は「愛情の歪んだ表現」なんです。1Day講座で学んだ「『4つのパターン』も、実は"わかってほしい"の歪んだ表現だった」という話と同じですね。
ドリームサポーターになるということは、心配をやめることではありません。心配はしていい。でも、心配を「夢をつぶす言葉」ではなく、「夢を一緒に形にする行動」に変えること。それがドリームサポーターです。
ドリームキラー寄りだったとしても、自分を責めないでください。気づけたことが、もう変化の始まりです。
1Day講座でもお伝えしたことを、もう一度。
多くの人は、パートナーの「足りないところ」を見ています。「もっとこうしてくれたらいいのに」「なんでこうしてくれないの」。
でも、ちょっとだけ目線を変えてみてください。
今日も元気でいてくれること。一緒にごはんが食べられること。隣で寝てくれること。
これは、ドリームサポーターの姿勢と同じです。パートナーの「今」を受け入れた上で、「これから」を一緒に描く。否定からではなく、肯定から始める。
ここからは、レベル2の問い——「2人の未来を描く問い」に挑戦します。
その前に、一つ面白い脳の仕組みをお伝えします。
「こうなりたい」を鮮明にイメージすると、脳はそれを「すでに起きていること」と区別できなくなります。すると、脳のフィルターが自動的にそのイメージに合う情報を集め始めます。
1Day講座で「脳のフィルター」について学びましたよね。あれと同じ仕組みです。
I(イメージ)× V(臨場感)= R(現実化)。つまり、リアルにイメージすればするほど、脳はそこに向かって動き出すということ。「理想の日曜日の朝」を五感でリアルに描くことで、脳が自動的にその未来に近づく行動を選び始めます。
大きな目標を立てると、かえって動けなくなることがあります。「幸せな家庭を築きたい」——正しいけれど、何をすればいいかわからない。
だから、もっと具体的に。もっと小さく。「3年後の理想の日曜日の朝」を描いてみましょう。
何時に目が覚める?
隣にパートナーはいる?
朝ごはんは何を食べてる?
どんな会話をしてる?
パートナーはどんな表情をしてる?
窓の外にはどんな景色が見える?
どんな匂いがする?
身体はどんな感じ?
こうやって五感でリアルに描くことが大切です。「幸せ」という抽象的な言葉ではなく、「朝、目が覚めたら、パートナーが子どもたちの朝ごはんを準備してくれていて、窓から日差しが入ってきて……」というような、映画のワンシーンのような描写です。
何時に起きる? 朝ごはんは? パートナーとどんな会話をしてる? どんな表情? できるだけリアルに、五感を使って。
目を閉じて、ゆっくり呼吸をしてから書いてもらってください。「正解」はありません。どんな日曜日でもOK。書けた人はペアで共有してもらいます。
自分の「理想の日曜日の朝」をペアの相手に話してください。聴く側は、第1回で学んだ傾聴のスキルで——最後まで聴く。おうむ返し。「それって素敵だね」と感情を返す。
自分の「理想の日曜日の朝」をペアに話す
聴いた側が問いかけで深掘りする。「そのとき、パートナーはどんな顔してる?」「お子さんは何してる?」
理想の日曜日に近づくために、今日から始められる、たった一つの小さなことを決める
最後に、パートナーの夢を応援するために、あなたができることを3つ決めてください。
大きなことでなくていいんです。「パートナーの話を途中で遮らない」「やりたいと言ったことを否定しない」——そのぐらいで十分です。
パートナーの夢を応援するために、私ができること:
1.
2.
3.
パートナーがあなたの夢を応援してくれて、あなたもパートナーの夢を応援する。この「応援し合う関係」ができると、1人のときよりずっと大きな力が生まれます。2人の「できる」という気持ちが掛け合わされて、1+1が3にも5にもなるんです。
最初の感覚:
今の感覚:
「重い」→「ちょっと温かくなった」「柔らかくなった」——この身体の変化こそが、今日の学びが「届いた」証拠です。
もし「パートナーの未来を一緒に描きたい」という気持ちが少しでも芽生えたなら、それはとても大きな変化です。
ペアで共有しましょう。全部でなくてOKです。話したいことだけどうぞ。パスもOKです。
毎日1つ、パートナーに問いかけてみてください。P.09の質問リストから選んでもいいし、自分で考えてもOKです。
| 日目 | パートナーに聞いた問い | ✓ |
|---|---|---|
| 1日目 | ||
| 2日目 | ||
| 3日目 |
今度こそ埋めてみましょう。わからなければ、聞いてみてください。それ自体が「心の地図」のアップデートです。
1.
2.
3.
次回(第5回)はディベートです。テーマについて、賛成・反対の両方の立場で考えてきてください。詳しくはP.29をご覧ください。
朝起きたとき、声に出してみてください:
「私とパートナーは、お互いの夢を
応援し合う最高のチームだ」
| 日目 | おまじないを言えた? | 気づいたこと |
|---|---|---|
| 1日目 | ||
| 2日目 | ||
| 3日目 | ||
| 4日目 | ||
| 5日目 | ||
| 6日目 | ||
| 7日目 |
1Day講座でも学びましたが、このおまじない(毎日の自分への宣言)を続けると、脳のフィルターが少しずつ切り替わります。「パートナーの足りないところ」ではなく、「2人の可能性」が見えるようになってきます。
パートナーの頭の中にある世界(好き・嫌い・夢・不安・大切にしていること)のこと。定期的なアップデートが必要。昔知っていたことが、今も同じとは限らない。
| レベル | 目的 | 例 |
|---|---|---|
| レベル1 | パートナーの内面を引き出す | 「最近、何が楽しい?」 |
| レベル2 | 2人の未来を描く | 「3年後、どんな日曜日を過ごしたい?」 |
「なぜ?」→「何が?」「どんな?」に変える。好奇心から出発する問いが、心の地図をアップデートする。
パートナーの夢を応援し、一緒に可能性を広げる人。否定ではなく、「面白そう! どんなイメージ?」から始める。
「こうなりたい」をリアルにイメージすると、脳はそこに向かって動き出す。だから「理想の日曜日の朝」を五感で描く。
「意見が違っても、大丈夫」
次回は最終回です。これまでの4回で学んだ4つの力——聴く力・伝える力・守る力・問う力——を使って、「相互尊重ディベート」に挑戦します。
テーマについて、賛成・反対の両方の立場で考えてきてください。どちらの立場になるかは当日決まります。
メイン:「家事・育児の分担は完全に平等にすべきか?」
サブ:「パートナーの夢が自分の価値観と合わないとき、応援すべきか?」
※当日、参加者の皆さんと相談して決めます
相互尊重コミュニケーション協会 講師:渡辺佳菜