第1回では、パートナーの「小さな呼びかけ」に気づいて応答する力を学びました。
「小さな呼びかけキャッチャー」の宿題を実践してみて、いかがでしたか?
パートナーのどんな「小さな呼びかけ」に気づきましたか?
応答してみて、パートナーの反応に変化はありましたか?
今日持ち帰るのは、たった2つだけ。
パートナーにイライラした時、つい言ってしまう言い方を思い出してみてください。
主語が「あなた(YOU)」
→ 相手は「責められている」と感じて、壁を作る
主語が「私(I)」
→ 相手は耳を傾けやすくなる
| ステップ | 内容 | パートナーシップでの例 |
|---|---|---|
| 1 | 状況を伝える | 「帰りが遅い日が続くと…」 |
| 2 | 私の気持ちを伝える | 「私はちょっと寂しくなるんだ」 |
| 3 | お願いを伝える | 「週に1日でも一緒にごはん食べられたら嬉しいな」 |
1 「食器がシンクに溜まっているのを見ると」
2 「私はちょっと疲れた気持ちになるんだ」
3 「一緒に分担を考えてくれると嬉しいな」
1 「子どものしつけのことで」
2 「私はちょっと不安に感じてるんだ」
3 「2人で方針を話し合えたら安心できるんだけど」
最初は慣れなくて当然です。「私は」と言い出すだけで、自然と相手を責める言い方から離れられます。完璧じゃなくてOK。
ゴットマン博士の研究では、会話の最初の3分で結末の96%が決まります。ケンカになる切り出し方とならない切り出し方の違いを、声に出して体感しましょう。
2人1組になります。以下のシナリオを声に出して読み合ってください。
Before:「また遅いの? 家族のことなんてどうでもいいんでしょ」
After:「帰りが遅い日が続くと、私はちょっと寂しくなるんだ。週に1日でも一緒に晩ごはん食べられたら嬉しいな」
→ Bさんに質問:「受け取り方にどんな違いがありましたか?」
Before:「また食器洗ってないの? ほんとだらしないよね」
After:「食器がシンクに溜まってると、私はちょっと疲れちゃうんだ。一緒に分担考えてくれると嬉しいな」
→ Aさんに質問:「声のトーンや体の感覚に違いはありましたか?」
パートナーに最近「言いたかったけど言えなかったこと」を、柔らかい切り出し方で書いてみましょう。
書けたら、ペアで声に出して読み合い、お互いにフィードバックしましょう。
ゴットマン博士の研究チームは、驚くべきことを発見しました。
つまり——
だから、パートナーに何かを伝えたい時、「どう切り出すか」がすべてと言っても過言ではありません。
ゴットマン博士はこの方法を「穏やかな切り出し(Gentle Start-up)」と呼んでいます。さっき練習した3ステップ(状況+気持ち+お願い)が、まさにこの方法です。
A:「また遅いの? 家族のことなんてどうでもいいんでしょ」
B:「……」(スマホをいじりながら無視)
A:「帰りが遅いと、私はちょっと寂しくなるんだ。週に1日でも一緒に晩ごはん食べられたら嬉しいな」
B:「寂しかったんだね、ごめん。水曜なら早く帰れるかも。やってみるよ」
A:「また食器洗ってないの? ほんとだらしないよね」
B:「そっちだって洗濯たたんでないじゃん」
A:「食器がシンクに溜まってると、私はちょっと疲れちゃうんだ。一緒に分担考えてくれると嬉しいな」
B:「そっか、疲れさせてたんだね。最近、俺の分担少なかったかも」
Before は「あなたは〜」で始まり、相手を攻撃している。After は「私は〜」で始まり、気持ちを届けている。同じ不満でも、切り出し方で結末がまったく違います。
ペアになって、「Before」と「After」の会話を実際に声に出してやってみましょう。
以下のシナリオを使って練習します。
Before:
A:「あなたは子どもに甘すぎる。ちゃんとしつけてよ」
B:「じゃあ全部自分でやれば? もう知らない」
After(3ステップで):
A:「子どものしつけのことで、私はちょっと不安に感じてるんだ。2人で方針を話し合えたら安心できるんだけど」
B:「不安だったんだね。確かに、ちゃんと話したことなかったかも」
3回まわして、全員がすべての役を体験します。
| やること | ポイント |
|---|---|
| 「私は」を主語にして伝える | 「あなたは〜」を「私は〜」に変えるだけ。 パートナーが壁を作らなくなります |
| 3ステップで切り出す | 状況+気持ち+お願い。 最初の3分が会話の96%を決めます |
「なんとなくそれっぽく言えた」で合格です。大切なのは「型を知っていること」。知っているだけで、ふとした瞬間に使えるようになります。
日付:__月__日
今日のワークで気づいたことは?
Before と After の会話で、体の感覚に違いはありましたか?
パートナーに伝えたいことを、3ステップで書いてみましょう。
ステップ1(状況):
ステップ2(私の気持ち):
ステップ3(お願い):
この講座の内容は、以下の研究・書籍を参考にしています。さらに深く学びたい方は、ぜひ手に取ってみてください。
| 著者 | 書名 |
|---|---|
| ジョン・ゴットマン | 結婚生活を成功させる七つの原則 |
| 平木典子 | アサーション入門 -- 自分も相手も大切にする自己表現法 |
第3回は「境界線」です。「聴く力」「伝える力」を身につけた次は、パートナーとの「ちょうどいい距離感」を学びます。
今日の宿題をやりながら、「ここまでは引き受けるけど、ここからは無理だな」と感じる瞬間があったら、覚えておいてください。それが次回への最高の準備になります。