(一社)那須野ヶ原青年会議所 主催
対話の土台を知る
ちゃんと伝えて、ちゃんと聴く。
〜対話が文化になる組織へ〜
STEP 1
相互尊重コミュニケーション講演会
2026年4月15日(水)
乃木温泉ホテル 1階 さくら

講師:渡辺 佳菜
一般社団法人 相互尊重コミュニケーション協会 代表理事

本日のプログラム

0:00
オープニング 自己紹介・今日のゴール
0:02
Part 1 なぜ今「相コミ」が必要なのか
0:10
Part 2 相互尊重コミュニケーションとは
0:14
Part 3 ワーク①② 聴き方ひとつで変わる体験
0:24
Part 4 ワーク③ 受け取り方ひとつで変わる体験
0:32
Part 5 「対話の土壌」という考え方
0:40
クロージング まとめ・持ち帰りの3つ

今日のゴール

今日持ち帰るのは、たった3つだけ。

1
頷きながら聴く
「うんうん」と頷くだけでOK
2
口角を上げて聴く
ほんの少し口角を上げるだけ
3
「おかげ様です」
褒められたら相手の手柄に

この3つを意識するだけで、あなたの周りの人間関係は変わり始めます。

01

Part 1:なぜ今「相コミ」が必要なのか

価値観が「混在する」時代

10年前と今とで、「当たり前」が変わったことはありませんか?

場面かつての「当たり前」今の「当たり前」
職場背中を見て学べ「それパワハラですよ」
家庭男は外、女は家共働き・家事育児シェア
教育叩いてでも教える体罰は絶対NG

何が正しくて、何が間違っているか——その基準そのものが、人によって違う。

正解がバラバラだと、「自分の正解」を主張し合って、ぶつかるのです。

02

「主張」から「交換」へ

部下に良かれと思って言ったアドバイスが「圧がすごい」と言われる。
自分はちゃんと伝えたつもりなのに「聞いてません」と返される。
会議で意見を言ったら空気が凍った。

これは、誰かが悪いわけじゃないのです。

ポイント

意見を「主張」する時代から、意見を「交換」する時代に変わった。
なのにコミュニケーションのやり方だけが昔のまま——ここにズレがあります。

03

誰も教わっていない

そして、ここが一番大事なポイントです。

コミュニケーションのやり方を、
私たちは体系的に
教わったことがない。

算数は教わった。英語も教わった。
でも、「人との向き合い方」は?

だから、できなくて当たり前なんです。

ポイント

コミュニケーションの問題は、「人」の問題ではない
「教わる機会がなかった」という環境の問題です。

04

Part 2:相互尊重コミュニケーションとは

定義
相手を対等なパートナーとして尊重し、
お互いのニーズや価値観を大切にしながら、
自分の意見をしっかりと伝えるコミュニケーション。

大切なのは、「相手だけ」を尊重するのではないということ。

「相手も、自分も」です。

一方的に我慢する、相手に合わせる、自分を殺す——それは尊重ではありません。

あなたの考えも大事。でも、私の考えも大事。
じゃあ、どうしようか。

——この姿勢が、相互尊重コミュニケーションの核です。

05

相互尊重コミュニケーションの4原則

① 傾聴と共感
まず、聴く
② 自己表現
自分を伝える
③ 境界線
距離感を守る
④ 問い
一緒に考える

この4つが揃ったとき、対話は「ぶつかり合い」ではなく「交換」になります。

今日は ①傾聴と共感 の入り口を体験します。

06
ワーク① :「頷き」の力を体感しよう

びっくりするほどシンプルですが、これがコミュニケーションの土台です。

準備

隣の方と2人1組になってください。
Aさん(話し手)とBさん(聞き手)を決めましょう。

話すテーマ:「最近あった、ちょっと楽しかったこと」

ラウンド1:頷きながら聴く(2分)

Bさんは、Aさんの話を「うんうん」と頷きながら聴いてください。

「へぇ〜」「それで?」「いいですね」——普段どおりに聴いてください。

ラウンド2:無反応で聴く(2分)

Bさんは、今度は一切何もしないで聴いてください。

頷かない。相槌も打たない。表情も変えない。ただ、黙って聞いているだけ。

07

ワーク① 振り返り

Aさん(話し手)に質問です。

ポイント

頷きがないだけで、相手は「聞いてもらえていない」と感じます。
会議中、パソコンを見ながら「うん」と言っていませんか?
お子さんが話しかけてきたとき、スマホを見ながら返していませんか?
「頷く」は当たり前のようで、実はできていない人がとても多いのです。

08
ワーク② :「口角を上げて聴く」を試そう

もうひとつのシンプルな実践です。

やり方

役割を交代してください。Bさんが話し手、Aさんが聞き手です。

話すテーマ:「最近あった、ちょっと楽しかったこと」

口角を上げて聴く(2分)

Aさん(聞き手)は、口角をちょっとだけ上げてください。

にっこり笑う必要はありません。口の端を、ほんの少し上げるだけ

その状態で、「うんうん」と頷きながら聴いてください。

振り返り

ポイント

口角を上げると、脳が「今、楽しい状況にいる」と錯覚します。
たったこれだけで、話し手も聞き手も、両方の気持ちが変わります。

09
ワーク③ :「おかげ様です」を実践しよう

ここからは「聴き方」ではなく「受け取り方」の話です。

こんな場面、ありませんか?

会議やプレゼンの後、上司や同僚から——

「今日の発表、すごく良かったよ!」

……と言われたら、なんて返しますか?

「いやいや、全然ですよ」「たまたまです」「まだまだです」

日本人の美徳として「謙遜」がありますよね。
でも、あなたを褒めた相手は、本心から「良かった」と思って言ってくれている

それに対して「いやいや全然です」と返すと——
相手からすると「自分の評価を否定された」と感じるのです。

10

解決策は「おかげ様です」

褒め言葉:「今日の発表、すごく良かったよ!」

✕「いやいや、全然ですよ」

◎「ありがとうございます。○○さんにアドバイスいただいたおかげです」

褒め言葉:「今月の売上、すごいね!」

✕「たまたまですよ」

◎「チームの皆さんが頑張ってくれたおかげです」

褒め言葉:「お子さん、しっかりしてるね」

✕「全然そんなことないですよ」

◎「先生方や周りの方に恵まれたおかげです」

11

「おかげ様です」実践ワーク

同じペアでやります。

Step 1:Aさんが、Bさんを褒める

何でもOKです。思いつかなければ「今日の服、似合ってますね」で大丈夫。

Step 2:Bさんは「おかげ様です」で返す

「いやいや……」と言いたい気持ちをぐっと抑えて——

「ありがとうございます。〇〇のおかげです」と返してください。

「〇〇」の部分は自由です。「妻が選んでくれたおかげです」でも「この店に出会えたおかげです」でも。

役割を交替して、もう1回やります。

12

なぜ「おかげ様です」が効くのか

これは褒め言葉を「自分が受け取る」のではなく「相手の手柄にして返す」技術です。

効果説明
褒めた側「自分の評価が認められた」と感じる。「自分も貢献できた」と嬉しくなる
褒められた側否定せずに謙虚さが伝わる
周囲嫌な気持ちにならず、チーム全体の空気が良くなる
ポイント

職場だけでなく、家庭でも使えます
お子さんから「ママ(パパ)すごい!」と言われたとき。
「あなたが応援してくれたおかげだよ」——この一言で、子どもの自己肯定感が上がります。

13

Part 5:「対話の土壌」という考え方

なぜ「スキル」だけでは足りないのか

今日やった3つのワーク。どれもシンプルで、30秒で説明できます。

でも、これを「スキル」として教えるだけだと、長続きしません。

「頷きましょう」と教えても、忙しくなったら忘れる。
「口角を上げましょう」と教えても、余裕がなくなったらやらなくなる。

個人のスキルに頼っている限り、
コミュニケーションは良くならない。
14

「土壌」を変える

今日この会場で、皆さんがワークをしたとき——

隣の人が頷いてくれたら、自然と話しやすくなった。
口角を上げて聴いてくれたら、安心して話せた。

これは、皆さんのスキルが上がったからじゃありません。
この場の「空気」が変わったのです。

一人が頷き始めると、周りも頷き始める。
一人が笑顔で聴き始めると、周りの表情も柔らかくなる。

ポイント

これが「土壌が変わる」ということです。
一人のスキルではなく、組織の「当たり前」が変わる。
それが、「対話が文化になる組織」です。

15

皆さんは「最初の一人」になれる

今日ここに来てくださった皆さんは、組織を引っ張る立場にいる方が多いと思います。

皆さんが変われば、組織が変わります。

これが組織の「土壌」を変える、最初の一歩です。


職場でも、家庭でも

職場で家庭で
部下の報告に頷く子どもの「今日ねー」に頷く
会議中、口角を上げて聴くパートナーの話に口角を上げて聴く
「チームのおかげです」「あなたのおかげだよ」
職場で効くことは、家庭でも効く。
家庭で効くことは、職場でも効く。

相手が誰であっても、人が求めていることは同じ。
「ちゃんと聴いてもらえている」という安心感。
16

まとめ:今日から使える 3つのアクション

#やること効果
1 聴くときに、頷く 相手に「聴いてもらえている」安心感を与える
2 聴くときに、口角を
ちょっと上げる
話し手も聞き手も、両方の気持ちが穏やかになる
3 褒められたら
「おかげ様です」
否定せずに謙虚さが伝わり、相手も嬉しくなる
「知っている」と「やっている」の間には、
ものすごく大きな溝がある。

今日、体で感じたこの感覚を、
明日、一つでいいから試してみてください。

17

最後に

私は、コミュニケーションの問題は「人」のせいじゃないと思っています。

教わる機会がなかっただけ。練習する場がなかっただけ。

だから——

「あの人はコミュニケーションが下手だ」と責めるのではなく、
「コミュニケーションしやすい場を一緒に作ろう」

今日ここにいる皆さん一人ひとりが、
職場や家庭で「頷く人」になってくれたら。

それだけで、皆さんの周りの「土壌」は、確実に変わり始めます。

ありがとうございました。

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ふりかえりメモ

日付:2026年 4月 15日

今日のワークで一番印象に残ったことは?

3つのアクションのうち、明日まず試してみたいのは?

誰に対して試してみますか?

今日の感想・気づいたこと(自由記述)

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